2023年「第108回薬剤師国家試験」の合格発表がありましたね。
6年間に及ぶ大学での勉強、CBT、OSCE、実務実習を経ての薬剤師国家試験本当にお疲れ様でした。
そして合格された皆様、おめでとうございます。
4月よりそれぞれの環境で働き始めることに楽しみや不安を感じている方もいるかと思います。
そこで今回は、10年近く調剤薬局薬剤師として勤務してきた今の筆者が、新卒の時の自分自身に対して伝えたいことをまとめてみたいと思います。
せっかく社会人になるのですから、全力で学び、それと同じくらい全力で自分自身の時間を楽しんでほしいです。
老婆心ながら、これから薬剤師になる皆様にも参考になることが一つでもあれば幸いです。
薬剤師になってからしてほしいこと
薬剤師として働き始めてからしてほしいことは2つです。
- 薬の勉強
- お金の勉強
薬の勉強
まずは何といっても薬の勉強は外せません。
薬剤師として患者様と向き合っていく以上、薬の勉強は薬剤師国家試験に合格してからもずっと続いていきます。
大学で学び、薬剤師国家試験を通過してきた知識も、現場に出て実際に患者様に伝えていく知識は別物と感じた経験があります。
大学で学んできたことが紐づかない、どのように繋がっているのかがわからない。
そんな風に悩んだこともあります。
それでも周りの先輩薬剤師に質問したり、働いている姿を見て真似をしていくことで少しずつ現場に適応していきました。
自分自身で出来ることは、大学で学んできた知識を現場で使えるようにアップデートしていくことだと思います。
大学で6年間しっかり勉強してきた上でさらに勉強か…と思ってしまいますが、自分が学んだ知識が患者様の役に立てた時にやりがいを感じられるので、一緒に頑張っていきましょう。
お金の勉強
薬剤師は初任給は比較的高め
社会人になり給与をもらいはじめると、学生時代にアルバイトしていた時と比べ大きな金額が口座に入金されます。
特にドラッグストア業界などに就職された方は他業種と比べ初任給が高いと思います。
ただしその後の昇給幅は小さくそのうち逆転されてしまいますが…
大きな金額が収入として得られることは嬉しいですが、ここで生活レベルを収入に合わせてしまうのは良くありません。
なぜなら生活レベルは一度上げてしまうとなかなか下げることが難しいからです。
若いうちからある程度の安定した収入を得られることは資産形成において有利
初任給から他業種と比べ多くの金額を得られることは、その後の資産形成においてとても有利となります。
資産形成において「時間」を味方につけられることはとても影響が大きいからです。
収入の一部を投資に回し、それを複利で長ーく運用していくことで資産が大きく育っていきます。
筆者は社会人3年目から少しづつ投資にチャレンジしてきましたが、今考えるとより早く、より多くの金額を投資に回せていればと後悔しています。
有利な制度は積極的に活用しよう
資産形成において、有利な制度がいくつかあります。
NISAやiDeCo、確定拠出年金、財形貯蓄などが挙げられると思います。
筆者はNISA、iDeCo、確定拠出年金の制度を活用しています。
就職先の福利厚生に確定拠出年金、財形貯蓄などの制度があるかどうか、入社後のガイダンスなどで説明があると思うのでしっかりと把握しておきましょう。
実践に勝る経験なし
いろいろな制度があることを知ったら、まずは一歩踏み出してみましょう。
筆者はまず銀行の定期預金へ月10,000円の積立から始めました。
最初は何も知識がなく、身近にスタートできるところから取り組んだ形です。
その後資産形成に関する書籍に触れ、10冊近い書籍を読み漁りました。
それと並行して証券会社の口座を開設し、NISA口座を開設して定期預金で積み立てていたお金を解約し投資をスタートしました。
ここで投資に関する勉強をしながら実際に投資をスタートしてみたことがとても大きかったと思います。
物事に対して勉強していくと、ついつい十分に理解が進んでから行動に移そうとしてしまうことが多いです。
しかし、“実践に勝る経験なし”
実際に自分の大切なお金を投資してみることで学べることがたくさんありました。
投資での資産形成の有用性が理解できていくうちに、月に10,000円だった積立額も20,000円、30,000円と少しずつ増えていきました。
もちろん投資はお金が増えることもあれば減ることもあります。
筆者は2023/3現在前月比100万円マイナスと大きな損失を抱えております。
しかし投資をストップしようとは考えておりません。
むしろ安く購入できるチャンスだと買い増ししています。
これは本業で安定した収入を得られていることと、生活防衛資金として6ヶ月分以上の資金を確保していることが大きいと思います。
筆者はリスクを理解した上で投資を続けております。
実際に投資してみないと自分が取れるリスク範囲のイメージがつきにくい点もありますが、そのあたりも少額から実践しながら学んでいっていただければと思います。
※あくまで最終決定はご自身の判断と責任にて行ってください。自分が取れるリスクの範囲内での資産運用をお願い致します。
投資を始めると日々のニュースにも興味が出てくる
自分の大切なお金を運用していると、経済のニュースに関しても興味が出て来ます。
日経平均が~、ダウが~、円安が~、など投資に関する用語についての知識が自然とついていきます。
薬剤師は専門性の高い仕事ですが、専門以外の知識をつけることも人生の幅を広げることが出来て良いと思います。
投資を始めてしまえば、実はその後やることはあまりない
証券口座、NISA口座を開設し、積み立ての設定まで済ませてしまうと実はやることはほとんどありません。
毎月設定した金額が自動的に振り替えられて、投資信託、株式の買付も設定通りに自動的に行われるため、後は一生懸命仕事に取り組み入金を続けていくだけです。
もちろん日々の生活の中で経済に関する関心は出てきていると思うので、さらにいろいろな投資の勉強をしていくことは素晴らしい事だと思います。
投資の成績が一番いいのは「投資した後投資していることを忘れている人」という言葉もあるので、設定した後はほったらかしにして、限られた時間を自分のために使えるというのもメリットかと思います。
まずは少額からでも投資してみよう
投資の勉強をするために、初期投資として10冊の書籍を購入したとしても支出はせいぜい20,000円程度。
投資信託への投資や単元未満株での株式投資の場合、100円程度の金額から投資を始めることが出来ます。
実際に少額から投資をしてみて、自分には合わないと思ったら途中でやめてしまっても問題ありません。
本業の収入以外の方法で資産を増やす手段を得ることは、これから仕事を続けていく中でメンタルを保つのに大きな働きをしてくれます。
初期投資にかかる費用はそこまで多くないのに、投資をするとしないとでは将来的に資産額に大きな差が出る可能性が高いと思うので、やってみる価値は十分にあると考えています。
おすすめの書籍
私がお金の勉強で使用した書籍の中で3冊おすすめの書籍を紹介します。
むずかしいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
私が実際に証券口座を作り、NISAへの投資を始めるきっかけとなったのがこちらの書籍です。
証券口座の開設の仕方から、生活防衛資金、安全資産、リスク運用資産への資産分配の決め方など、基本的なことはこの1冊を読めば網羅できるのではと思います。
本気でFIREをめざす人のための資産形成入門
現在の筆者の投資スタイルはこちらの書籍の影響を大いに受けています。
経済的自由を手に入れるために分配金を積み上げていくスタイルです。
「給与の大部分を投資に回す」「支出の最適化」の2本柱となっています。
お金に対する考え方、取り組み方がとても勉強になります。
分配金は再投資するもよし、使ってしまうのもよし。
このスタイルは初任給が比較的高い薬剤師に向いているスタイルだと考えます。
本当の自由を手に入れる お金の大学
リベラルアーツ大学でYouTubeなどで情報を発信してくれている両学長の著書
「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」というお金にまつわる5つの力が紹介されているので、これからお金に向き合っていく新社会人の方々には学べることが多いと思います。
経済的自由(生活費<資産所得)の状態を目指すために参考となる書籍です。
ちなみにこの3冊を全て購入しても合計4~5000円ほどです。
初任給でお世話になった身近な方々に恩返しをしたら、早速勉強を始めてみましょう。
最後に
6年間みっちり勉強を重ね、薬剤師国家試験を無事に突破した皆様、大変お疲れ様でした。
せっかく社会人になったのですから全力で学び、それと同じくらい全力で自分の人生を楽しんでいけることをを祈っております。
自分の人生を有意義に過ごすための一助に少しでもなれたとしたら幸いです。
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